仮想通貨のエアドロップとは?
近年、仮想通貨業界で「エアドロップ」という言葉が注目を集めています。
エアドロップとは、特定の条件を満たしたユーザーに対して、無料で仮想通貨やトークンを配布するイベントです。
実施される目的
エアドロップは、主に新しいプロジェクトの認知度向上やユーザー数増加を目的として行われます。
プロジェクト側は、潜在的な支持者を獲得し、エコシステムへの参加を促す事ができる。ユーザーにとっては、無料で将来性ある仮想通貨を手に入れるチャンスとなります。
メリット
エアドロップは、ユーザーに以下のメリットがあります。
- ・無料で仮想通貨を獲得できるため、価格変動によるリスクを負わずに済む
- ・将来有望なプロジェクトのトークンを、市場に出回る前に入手できる
- ・エアドロップ対象の仮想通貨の需要が高まり、価格上昇に繋がる
さらに、エアドロップによって多くのユーザーが呼び込まれる事で、マイナー通貨の取引の安定性が向上するメリットもあります。
注意点
一方で、エアドロップは以下の注意点も存在します。
- ・配布量が少なかったり、プロジェクトの将来性が低かったりすると、利益に繋がらない事がある
- ・参加条件として、特定の仮想通貨の購入や取引所への入金が必要なケースがあり、その際はコストがかかる
- ・ウォレットのパスワードなど入力を求められる悪質なエアドロップもある
- ・配布された仮想通貨が国内取引所に上場しない事もあり、その場合は換金に手間がかかる
エアドロップに参加する際は、プロジェクトの信頼性を見極める事が重要です。安易に個人情報を提供しないよう注意しましょう。
仮想通貨のエアドロップの最新注目情報
エアドロップは、仮想通貨業界で頻繁に行われるイベントです。ここでは、最近話題となっている情報をご紹介します。
SEIトークン
2024年5月、Sei財団が仮想通貨SEIのエアドロップを発表。Seiの並列処理EVMのアップグレード(Sei v2)の成功を受けて、合計27,421,200SEIトークンが、43,052のアドレスに配布される予定です。
エアドロップ対象は、以下の条件を満たしたユーザー。
- 42以上SEIをステーキング:1ポイント
- 42 iSEIまたは42 stSEIを保有:1ポイント
- 出来高上位8のNFTコレクションを2つ以上保有:2ポイント
1ポイント=200SEI
2ポイント=3,000SEI
3ポイント以上=6,000SEI
現在はエアドロップの確認可能ですが、取得はSei v2の第三段階になる見込みです。
レイヤーゼロのネイティブトークン「ZRO」
LayerZero(レイヤーゼロ)の開発を主導する「LayerZero Labs」は、2023年12月に同プロトコルのネイティブトークン「ZRO」の存在を公式X(旧Twitter)で明かしました。
そして、2024年前半にはZROのエアドロップを行う計画を発表。
LayerZeroは、イーサリアムやポリゴン、BNBチェーンなど、多数のブロックチェーン間の相互運用を促進するインフラを提供するプロジェクトです。独自トークンの存在が明かされたことで、大きな注目を集めています。
すでにスナップショットの実施とシビル活動への対処をアナウンスしており、エアドロップへの期待が高まっています。
仮想通貨のエアドロップの主な事例
これまで、多くの仮想通貨プロジェクトがエアドロップを実施してきたので、代表的な事例を紹介します。
フレア(FLR)
フレア(FLR)は、異なるブロックチェーン間の相互運用性を実現する「Flare Network」の基軸通貨です。
2020年12月、XRP保有者に対し1:1比率でエアドロップが実施され、2023年1月に配布が完了しました。
国内ではCoincheckやbitFlyerなど、多くの取引所がエアドロップに対応したことで、大きな話題となりました。
シンボル(XYM)
シンボル(XYM)は、NEM(XEM)をベースに開発されたSymbolブロックチェーンのネイティブトークンです。
2021年3月、XEM保有者に1:1の比率でエアドロップが実施されました。
XEMは国内人気の高い通貨だったため、bitFlyerやZaifなど国内の取引所でもエアドロップが行われました。
BOBAトークン(BOBA)
BOBAトークンは、イーサリアムのレイヤー2ソリューションである「BOBA Network」のガバナンストークンです。
2021年11月、「OMG Network(旧OmiseGO)」から「BOBA Network」への移行に伴い、OMG保有者に対してエアドロップが実施されました。
国内ではbitbankがエアドロップに対応しています。
Sologenic(SOLO)
Sologenic(SOLO)は、「XRP Ledger」上に構築されたDEXのネイティブトークンです。
2021年12月、XRPとSOLO保有者に対してエアドロップが実施され、国内ではBitTradeがエアドロップに対応しました。
仮想通貨のエアドロップの税務上の取り扱い
エアドロップで仮想通貨を受け取った場合、税務上の取り扱いが2通りに分かれます。
- 受け取った仮想通貨に経済的価値がある(取引所で取り扱われている)場合
→受取時点の時価で所得として計上する必要があります。 - 受け取った仮想通貨に経済的価値がない(まだ市場に上場していない)場合
→取得価額は0円となり、受取時点では所得は発生しません。ただし、後に売却や使用した時点で所得が発生します。
エアドロップに参加する際は、税務面での取り扱いも確認しておくことが賢明です。
まとめ
エアドロップは、無料で仮想通貨を獲得できる機会ではありますが、リスクも理解しておく必要があります。プロジェクトの信頼性を慎重に見極め、安易に個人情報を提供しないことが大事ですね。
最新情報をチェックし、有望なプロジェクトに出会えれば、大きなリターンを得られる可能性もあります。税務面での取り扱いに注意を払いつつ、活用していきましょう。