エイダコインとは
Cardano(カルダノ)は、ビットコインやイーサリアムなどの仮想通貨が抱えている問題を解決すべく生まれたプロジェクトでオープンソースかつ分散型のパブリックブロックチェーンプラットフォームです。
このプラットフォームで使用される独自の仮想通貨がエイダコイン(ADA)です。
エイダコインは、OuroborosというPOS(Proof of Stake)コンセンサスアルゴリズムを採用しています。
2017年10月2日に仮想通貨取引所Bittrexに上場して以来上場先を増やし、2020年8月現在BinanceやHuobiなど30以上の取引所に上場しています。
コインマーケットキャップのランキングでも8位にランクされる人気のメジャーアルトになりました。
2020年7月30日、エイダコインはシェリーと言う大型アップデートを完了しました。
エイダコインの開発は「Byron(バイロン)」「Shelley(シェリー)」「Goguen(ゴーグエン)」「Basho(バショウ)」「Voltaire(ボルテール)」の5段階に分かれています。
今回実装されたシェリーはノード運用の分散化をより進める機能を果たすものになります。
あわせてシェリーに対応した最新ウォレット「ダイダロスウォレット(DaedalusWallet)」もリリースされました。
ダイダロスウォレットはウォレットを通じてエイダコインをステークすることが可能だと言うことです。
2020年下半期の仮想通貨市場はDeFi(ディーファイ)とステーキングブームで盛り上がっていますがエイダコインも例外ではなく、シェリーへの期待も加わって大幅に価格は高騰しています。
順調に開発が進んでいるカルダノとエイダコインですが、「詐欺(SCAM)」ではないかと言われていた時期もありました。なぜエイダコインは詐欺と言われたのでしょうか?
エイダコインが詐欺だと言われる理由
エイダコインが詐欺だと疑われた理由は主に以下の3つの理由があります。
理由①情報商材屋の泉忠司が紹介していたから
理由②アフィリエイターが過剰な表現で集客してたから
理由③公開予定から半年以上遅れて公開されたから
それぞれの理由について、掘り下げで見てみましょう。
理由①情報商材屋の泉忠司が紹介していたから
エイダコインの発行元カルダノ財団(Cardanofoundation)はスイスに本拠を持ち、カルダノの商品化を担当するのは日本に本社を持つEMURGO(エマーゴ)と言う企業です。
2015年から2016年にかけてエイダコインは主に日本でプレセールされました。プレセールを担当したのはアテインコーポレーションと言う企業で、エマーゴのCEOはアテインコーポレーションの元社長、児玉健氏です。
2015年当時は暗号資産(仮想通貨)に関する法整備が世界的に進んでおらず(日本で改正資金決済法、通称・仮想通貨法が施行されたのは2017年)アテインコーポレーションが主に日本でプレセールを行ったのは米国やロシア、カナダでは法に触れる可能性があったからだそうです。
アテインコーポレーションはプレセールによる資金調達を成功させる為、エイダコインの販売に代理店制度を導入して、代理店(アフィリエイター)被紹介者が購入した額の5~10%相当のビットコインを支払うことにしました。
その代理店の中に自称「キングオブコイン」の情報商材屋泉忠司がいたのです。
悪質な情報商材販売で悪名の高い泉忠司は、「仮想通貨バイブルDVD5巻セット(VIPクラスへの参加を含む)」「ハイスピード自動AIシステム:パルテノンコース」について、消費者機構日本から日本初の認定法人による情報商材裁判を提訴され話題になり、それ以外にも数多くの情報商材で被害者を出し続けています。
その被害総額は数十億円にも上ると言われていますが、唯一エイダコインのプレセールだけは儲かったという声もあります。
泉忠司もエイダコインを紹介して数多くの投資家を儲けさせたと言う事を宣伝に使っています。
理由②アフィリエイターが過剰な表現で集客してたから
プレセール当時、泉忠司に限らず多くの代理店が「絶対に儲かる」的な過剰な表現でプレセールに勧誘していました。
まだビットコインが10万円以下だった時代の話で仮想通貨ではなく暗号通貨と言う呼び方の方が主流な時代でした。
仮想通貨ブーム前の日本においてビットコインもブロックチェーンも知らないほい人の方が多い上に仮想通貨法の施行前だった為、エイダコインのプレセールは「絶対に儲かる」「元本保証」と言ったNGワードに溢れていました。
実態とは関係なくこのような勧誘方法は、カルダノとエイダコインを非常に怪しい物に見せたため「エイダコインは詐欺じゃないのか?」と言う悪評に繋がっていきました。
また、一部のアフィリエイターがMLM(マルチレベルマーケティング)の手法をエイダコイン販売に使用したため、「エイダコインはマルチ商法ではないのか?」という疑惑まで発生しました。
エイダコインの代理店となったアフィリエイターは数千人とも言われ、当時、日本のクリプト界隈はエイダコインの誇大広告とそれを批判する声で溢れかえってしまいました。
このような事態はアテインコーポレーションが意図したものではなかったようですが「代理店の販売手法に対して資金調達を優先して積極的に指導を行わなかったのではないか?」と言う批判もあります。
反社会的勢力の購入を防止するKYC(本人確認)が不十分だったという批判もあり、カルダノ・エイダコインの社会的信用度が増した現在でも批判される要因になっています。
なお、「エイダコインがオンラインカジノ用の仮想通貨」であるという誤解も、代理店のセールストークから生まれたもので、エイダコインはオンラインカジノのチップではありません。
理由③公開予定から半年以上遅れて公開されたから
カルダノとエイダコインの開発はカルダノの考案者であり、イーサリアム創設者の一人でもあるチャールズホスキンソン(Charles Hoskinson)がCEOを務めるIOHK(Input Output Hong Kong)が担当しています。
IOHKが非常に高い開発力を持っているブロックチェーン企業であることは間違いないのですが、ビットコインとイーサリアムが持つ欠点を補うと言う高い志を持ったカルダノとエイダコインの開発はホワイトペーパーのロードマップ通りには進みませんでした。
エイダコインと同時期に発生して未だに上場していない仮想通貨もあるようで、そういった仮想通貨は詐欺と呼ばれても仕方がないでしょう。
カルダノは最初のフェーズである「バイロン」の開発に2年も費やしてしまいました。
エイダコインの場合は上場予定を半年延期したため、プレセールに参加した投資家を不安にしたことは事実ですが、プレセールの売り方に問題があったことも重なって詐欺と言う疑惑を招いたと思われます。
というのもエイダコインの開発状況はGithub等を見れば遅れ具合も含めて確認可能だったからです。
ブロックチェーン技術に対する知識のない投資家が、絶対に儲かると言われた仮想通貨の上場が遅れれば不安になって当然でしょうが、IOHKとしては心外でしょう。
CryptoMiso というGithubの活発度を掲載しているサイトによると、現在もカルダノ・エイダコインは全仮想通貨中10位の活発さで開発されているそうです。
エイダコインは格付け機関で高評価
米国の格付け会社Weiss Ratings社による120銘柄以上を評価対象とする仮想通貨の最新技術ランキングによると、総合評価ではテゾス(XTZ)に次ぐ2位です。
長期投資家向けに設ける「テクノロジー・採用(Technology / Adoption)」では、イーサリアムがAで、カルダノ・エイダコインがB+と次点となっています。
今回ランキング上位4銘柄に共通する特徴は仮想通貨ステーキングがあるコインであることで、仮想通貨業界においてはDeFi(ディーファイ)とステーキングは一過性のブームではなくトレンドと言えるでしょう。
エイダコインは投資家からどう評価されているか
仮想通貨投資家の間ではエイダコイン(ADA)の価格についてポジティブな意見が多くみられます。
好調な価格は順調な開発によるところが大きいようです。
QuantstampのCEO、リチャード・マー(Richard Ma)の「カルダノ・エイダコインは業界で2番目に大きいDeFiプラットフォームになる可能性がある」というインタビュー記事は世界中の仮想通貨投資家に歓迎され好意的にリツイートされています。
まとめ
2017年~2018年のICOブーム時に上場した仮想通貨のほとんどが、アルトバブル崩壊で開発がストップしてしまっている中で、プレセール期間中から詐欺のレッテルを張られたエイダコイン・カルダノが順調にアップデートを重ね、技術的にも高く評価されているのは皮肉な話です。
DeFi(ディーファイ)と仮想通貨ステーキングという時代のキーワードともシンクロするエイダコインから投資家はしばらく目が離せそうもありません。
なにしろエイダコインにはあと3回もビッグアップデートが控えているのですから。
エイダコイン(ADA)の基本情報
名称 | エイダコイン(ADA) |
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人気度 | |
時価総額 | 8位 |
取引所 | エイダコイン(ADA) Binance,Huobi |
発行日 | 2017年10月02日 |
発行元 | カルダノ財団(Cardanofoundation) |