NFTを購入するだけで、配当のように利益が得られると話題のネクストブロックチェーンアプリケーションリミテッド(NBA)。
素人には分かりにくい流動性マイニングを代行してくれるという事で、便利なサービスのように思えます。
しかし、NBAにはマルチ商法の仕組みが取り入れられており、ネット上には「怪しい」「詐欺ではないか」という噂も。
この記事では、ネクストブロックチェーンアプリケーションリミテッドのどこが怪しいのか、何が問題なのかを解説します。
ネクストブロックチェーンアプリケーションリミテッドは何が怪しい?
ネクストブロックチェーンアプリケーションリミテッド(NBA)が怪しいと言われる理由は、主に以下の6つ。
- マルチ商法の手法を使っている
- 過去の怪しい仮想通貨投資案件と類似点が多い
- 公式サイトの記述があいまい
- 企業情報の記載がない
- 金融商品取引法違反の可能性がある
- そもそも存在意義がない
これら6つの怪しいポイントについて、1つ1つ見ていきましょう。
マルチ商法の手法を使っている
ネクストブロックチェーンアプリケーションリミテッドは、マルチ商法(MLM)の手法を使って出資者を集めています。
この事について、公式ページでは記載がありません。しかし、Youtubeのキャンペーン紹介動画では以下の条件を達成した人に「ドバイ旅行」をプレゼントするとアナウンスしています。
- スモール$100,000かつ$1,750以上の直接紹介
- 5人以上の直接紹介があり、その累計売上が$45,000以上
「スモール$100,000」という言葉の具体的な内容は不明ですが、少なくともNBAに紹介することでドバイ旅行などの特典が得られるのは確かなようです。
さらに、公式サイトにはマルチの勧誘者である「ディストリビューター」という単語が使われている箇所があります。
こういった証拠から、NBAがマルチの手法を使って出資者を集めているのは明らか。
もちろん、マルチ商法自体はねずみ講とは異なり、違法な行為ではありません。
しかし、投資案件のマルチ商法は「モノなしマルチ商法」などとも呼ばれ、その危険性は金融庁も注意喚起しています。
出資させておいて解約できない、返金ができない、といった詐欺トラブルに巻き込まれる可能性もあるため、注意すべきです。
過去の怪しい仮想通貨投資案件と類似点が多い
ネクストブロックチェーンアプリケーションリミテッドは、「Remix DAO」という別の投資案件と非常に似通っています。
Remix DAOは、NFTを購入してDEX(分散型取引所)へ資金を投入し、流動性マイニングを行うというサービス。
サービス内容がほぼ同じであるのはもちろん、マルチ商法の手法を使って出資者を募っていた点もそっくりです。
また、両サービスの説明で使われている資料も全く同一のものです。
また、SNSでは両サービスのドメインが同一のものであるという指摘も見つかります。
Hey @helloericma – you are listed as the CEO of this company (nba-limited) and the domain in the app still is Remixdao so I’m guessing I’m tweeting at the right person – care to explain more about this project?
— EverythingBagel (@Ev3rythingB4gel) October 21, 2024
これほど共通点があるのは、2つのサービスの仕掛け人が同一人物、あるいは同一組織であることの証左でしょう。
Remix DAOの評判は非常に悪く、ネット上では詐欺だという声が多く上がっています。
マイニングエクスプレス 国税逮捕 詐欺 でまず検索
次に、峠達也 マイニングエクスプレスで検索
RemixDao峠達也でも検索
RemixDaoはNBAの前進です。— msresearch (@msresearch) July 16, 2025
#スターサービス #スターモバイル #スマホマイスター 注意喚起情報
スターサービス勧誘グループ→今はRemix Daoで人集め
これは要注意です。年利100%と謳っているなら
100%詐欺だと思った方が良いです。 https://t.co/xUSPTW7lIt— 吉村啓志 (吉村ケイシ) 被害者の会【Fireアカデミー】&⚠️dmobile ⚠️スマホドクター (@ja_spg) January 31, 2024
Remix DAOには滝上幸久や峠達也といった悪質な仮想通貨マルチの世界で名の通った人物が関わっているという話もあり、信頼性は皆無。
Remix DAOの後進であるNBAも、悪質な投資案件である可能性が非常に高いです。
公式サイトの記述があいまい
ネクストブロックチェーンアプリケーションリミテッドは、流動性マイニングという手法で利益をあげる投資案件です。
後に解説しますが、具体的には「UNISWAP」というDEX(分散型取引所)で流動性マイニングを行うのを代行してくれるサービスになります。
たったこれだけのサービスなのですが、公式サイトではこの仕組みについてはっきり書かず、あいまいで余計な記述が多くなっています。
例えば、次のような記述があります。
私たちは、ただの技術革新を目指しているのではありません。世界の有力なブロックチェーン企業との戦略的提携を通じて、新たなビジネスチャンスを創出します。そして、急成長する国々において、不動産投資、AI事業、ゲーミング事業、Web3事業を展開し、さらには独自ウォレットの開発を進めていきます。これらの事業は、未来を見据えた私たちのビジョンの一部であり、私たちが切り開く市場の広がりを象徴しています。
要するに、「今後も我々は成長するのだ」ということを言いたいのでしょうが、まるでIR資料のようなこういう記述を公式サイトに掲載するのはなぜでしょうか?
流動性マイニングの代行というサービスの特性上、NBAが成長しても報酬額が上がるわけではありません。
NBAはオリジナルのDEXの創造を目指していますが、もしそれが実現されたからといって株価のように報酬額が上がるわけではないでしょう。
サービスの内容と関係のないあいまいな記述で煙に巻き、仮想通貨に詳しくない人に「何となく凄そうだ!」と幻惑させようとしているのではないでしょうか?
企業情報の記載がない
ネクストブロックチェーンアプリケーションリミテッドの公式サイトには、企業情報の記載がありません。
企業名はもちろん、住所や連絡先、法人番号など企業を識別する要素は全く隠されています。
唯一分かるのは、代表が「エリック・マー」という人物であることくらい。
しかし、彼についても住所や連絡先が公開されているわけではなく、何かトラブルが起こった際に対処してくれるのかは不明です。
誰が運営しているのか分からないようなサービスを利用するのは避けた方がよいでしょう。
金融商品取引法違反の可能性がある
ネクストブロックチェーンアプリケーションリミテッドの公式サイトでは、次のような記述があります。
私たちが最初に取り組んできたことは、流動性を提供することでコミュニティに利益を与える機会を作り出したことです。NFT保有者は、私たちの壮大なプロジェクトの貢献者であり、流動性提供者としての役割を超え、将来的には企業の成長に伴う利益を共有することができるのです。NFTを保有し、トークンから流動性を与えることでトークン利回りを得られるだけではなくSTOトークンを保有することで、今後は重要な意思決定に関わることができます。DEXの未来は、分散型金融の未来を支える基盤です。NBAはオリジナルDEXの新たなガバナンストークンのような存在となりあなたに新たなる収益をもたらします。
ここでもあいまいな言葉が並んでいますが、問題となるのが「STOトークン」という言葉について。
まず、ST(セキュリティトークン)とは、株などの有価証券をブロックチェーン技術を用いてデジタル化したものです。
STOとはSTを用いて資金調達(Offering)を行うことですが、STOを行うには基本的に金融庁の登録が必要です。
そのため、もしNBAの運営が「STOトークン」を発行しているとすれば、金商法違反に当たる懸念があります。
そもそも存在意義がない
ネクストブロックチェーンアプリケーションリミテッドは、実質的には流動性マイニングの代行サービスです。
しかし、そもそも流動性マイニングは一度設定すれば基本的に放置で問題ないもの。代行できる範囲は限定的です。
さらに、仮想通貨ウォレットは自分で用意しなくてはならないなど面倒な手続きも多く、代行してもらうメリットはさほどありません。
それにも関わらず、利用するには高額なライセンス料(NFT)を購入しなくてはならず、しかも運用資金は別途用意しなくてはなりません。
極端な言い方をすると、NBAはウォレットと仮想通貨プラットフォームの間に立って高額な手数料を取る、単なる中抜き業者です。
もしも流動性マイニングをしたいなら、投資対象である仮想通貨の仕組みを知る上でも、自分で勉強して運用を始めることをおすすめします。
ネクストブロックチェーンアプリケーションリミテッドとは?
ここでは、ネクストブロックチェーンアプリケーションリミテッド(NBA)について、概要をあらためて解説していきます。
NBAはNFTを購入することで高配当を受け取れるという投資案件。
NFTを購入することでNBAが利用可能になり、仮想通貨ウォレットと紐づけることで自動で流動性マイニングができるようになります。
配当は2時間に1回、ウォレットにビットコインとして振り込まれるとのこと。公式サイトの情報によると、月利は1~3%程度とかなりの高金利です。
ただし、NFTだけを購入しても運用を開始することはできません。
NFTはあくまでもNBAを利用するためのライセンスキーであり、運用を開始するには別途ウォレットに仮想通貨を入れておかなくてはなりません。
要するに、NFTはNBAの利用権でしかないのですが、公式サイトでは特に言及がないどころか、あたかもNFTを買って投資を行うかのように誤解を招く記述が見当たります。
さらに問題なのは、このNFTの価格が非常に高額であること。
詳しくは後に解説しますが、価格は最大で2万ドル(約300万円)。しかも、このNFT自体が市場で高値で取引できるかどうかさえ不明です。
まとめると、ネクストブロックチェーンアプリケーションリミテッドは、利用料が最大300万円もする高額な流動性マイニングの代行サービスです。
もちろん、NFTは返品できません。
このような詐欺的なサービスに、果たして300万円の利用料を支払う価値があるでしょうか?
代表「エリック・マー」
ネクストブロックチェーンアプリケーションリミテッドを運営しているのは「エリック・マー」という人物。
ウィスコンシン大学マディソン校出身のエンジニアで、世界クラスのプロジェクトを設計してきた経験があるとのこと。
公式のプロフィールによると、コインマーケットキャップのグローバルコミュニティマネジャーを務めたり、タイデックス・グローバルというCEXでCEOを務めたりした経歴があるようです。
しかし、この経歴が本当かどうかは分かりませんし、会社情報すらないのでそもそも本当に責任者であるかどうかも不明です。
公式サイトの経歴だけで彼を信用することはできないでしょう。
ネクストブロックチェーンアプリケーションリミテッドの仕組み
ネクストブロックチェーンアプリケーションリミテッド(NBA)は、公式サイトで仕組みを解説していません。
具体的な運用方法については、ディストリビューターが作成したと思われる動画で把握することができます。
この動画を参考に、分かりにくいNBAの仕組みについて分かりやすく解説します。
流動性マイニングとは?
ネクストブロックチェーンアプリケーションリミテッドは、流動性マイニングを代行してくれるサービス。仮想通貨ウォレットと連携させることで、ウォレット内の仮想通貨を自動で投資してくれます。
流動性マイニングとはどのようなものでしょうか?流動性マイニングは、DEX(分散型取引所)などの仮想通貨プラットフォームに仮想通貨を預けることで、報酬を受け取れるという仕組みのこと。
DEXなどの取引所では、取引をスムーズに行えるようある程度の仮想通貨が常にある状態にしておかなくてはなりません。取引をスムーズにするために仮想通貨をプラットフォームに貸し出すことで、取引手数料などの一部を報酬として受け取ることができる、という仕組みです。
流動性マイニング自体は誰にでもできるものですが、ウォレットを用意する必要がある、インパーマネントロスなど分かりにくいリスクがある、といった点で仮想通貨について詳しくない人だとハードルが高いでしょう。そのため、流動性マイニングを代行してくれるNBAは、一見便利なサービスに見えます。
しかし、実際にはウォレットはこちらで用意する必要があるなど、公式サイトでは説明していない面倒な手続きがあることには注意が必要です。
利用プラットフォームは「UNISWAP」
ネクストブロックチェーンアプリケーションリミテッドでは、「UNISWAP」という仮想通貨プラットフォームを利用して流動性マイニングを行います。
UNISWAPはDEXの代表的なプラットフォーム。DEX=分散型取引所の名の通り、中央集権的な管理者がおらず、ユーザー同士で自主的に取引を行うのが特徴の取引所です。
UNISWAPで流動性マイニングを行うと、独自のガバナンストークンである「UNI」が受け取れます。
UNIは売買できるのはもちろん、保有しているとDAO(分散型自律組織=UNISWAP内のコミュニティのこと)のプロジェクトに関わることができます。
ただし、ネクストブロックチェーンアプリケーションリミテッドでは運用を代行しているため、UNIを受け取ることはありません。報酬はビットコインで2時間ごとに支払われます。
利用するには高額なNFTライセンスが必要
ネクストブロックチェーンアプリケーションリミテッドを利用するには、高額なNFTを購入しなくてはなりません。
このNFTはNBAのアプリにアクセスするためのライセンスキーの役割を果たしており、これがなければNBAを利用することはできません。
このNFT=ライセンスの価格は、以下の通り。
もっとも安い「ENTRY」ライセンスでも300ドル、最高クラスの「MASTER」になると2万ドルもの大金がかかります。「還元率」にも注目。還元率は実際に得た利益の何%を受け取れるかというもの。
例えば、「ENTRY」ライセンスであれば還元率は25%なので、100ドルの報酬があっても25ドルしか受け取れません。最高クラスの「MASTER」になって初めて利益の100%を得られるようになります。
また、「NBAトークン」は株式のようなもので、NBAがDEXに参入したとき、要は独自のDEXを作ったときに大きな価値が出るものとのこと。ライセンスによってこれらの特典があるのですが、投資信託の手数料が1%以下のものが多い時代に、あまりにも高い手数料と利用料です。
高額である理由は、マルチ商法の手法を使っており、紹介者に高額なインセンティブが入ってくるから。ただそれだけです。
単なる中抜き業者のネクストブロックチェーンアプリケーションリミテッドに利用価値はほとんどありません。詐欺の可能性も高いため、決して利用しないようにしてください
ネクストブロックチェーンアプリケーションリミテッドの評判・口コミ
ネクストブロックチェーンアプリケーションリミテッドのネット上の評判は、悪いものばかり。
特に、Remix DAOとのつながりから怪しい投資案件だと注意喚起する人が多くなっています。
こんにちは。
上記に述べた理由だけでもハイリスクだと思いますが…マイニングエクスプレス(松江大樹)
↓
Remix Dao(峠達也、滝上幸久、カルロス•フジヤマ)
↓
NBAここに載せた固有名詞をご自分で検索なさってみてください。
私はおすすめしません。— OWL (@morinotamaki) June 29, 2025
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また、Yahoo知恵袋では、実際にNBAを利用した人の声として「儲からない」「収支報告が開示されていない」という実態が暴露されています。
一方、NBAに関する良い口コミは全く見つかりません。
もしもNBAを評価する人がいるとすれば、マルチのディストリビューターの可能性があります。
高額なNFT=ライセンスを買わせて報酬を受け取ろうとしているだけなので、彼らの話をまともに聞いてはいけません。
【まとめ】ネクストブロックチェーンアプリケーションリミテッドは詐欺の可能性もある怪しい投資案件!
ネクストブロックチェーンアプリケーションリミテッドは、流動性マイニングの代行サービスで、詐欺の可能性もある怪しい投資案件です。マルチ商法の手法を使って出資者を集めており、過去にも悪質な投資案件に関わっている人物が関係しています。
また、NFTを買えば利益を得られるかのように宣伝していますが、実際はNFTは単なるライセンスであり、投資資金は別途用意しなくてはなりません。
仮想通貨はまだ新しい投資商品であり、聞きなれない用語を多用しながらお金をだまし取ろうとする怪しい案件がはびこっています。ネクストブロックチェーンアプリケーションリミテッドも詐欺の可能性がある投資案件であるため、利用しないことをおすすめします。
ちなみに、ネクストブロックチェーンアプリケーションリミテッドを利用するくらいなら、「ASAP」のような投資ファンドの方が断然おすすめ。無料で利用可能なので、興味がある方はぜひ。