FXをやっていれば1度は聞いたことあるランキングトップ5に入るであろう「ストップ狩り」。
時には理不尽な損失を負わされることもあり、スキャルピングがメインの方にとっては天敵です。
ただ、実はこのストップ狩りは発生しやすい条件があります。
正しく対策と予防を理解しておけば、理不尽な損失を負うリスクを抑えることも可能。
ストップ狩りが起きやすい条件や対策方法について紹介していきます。
FXのストップ狩りとは
ストップ狩りとはヘッジファンドなど、巨額の資金を持つ大口投資家が個人トレーダーの思惑を逆手により、利益を得ようとする1つの手法です。
具体的には、ストップロス注文()損切り注文を狩りに行くような値動きをするのが一般的。
ヘッジファンドは個人トレーダーがストップロス注文を置いているであろうポイントを予測し、狙い撃ちするのです。
言葉だけだとピンとこないかもしれないので、イラストを見た方がイメージしやすいでしょう。
例えば下のイラストのように、個人トレーダーが買いでポジションを持ったとします。
この時多くの個人トレーダーが、赤線の位置にストップロス注文(損切り)を入れているとしましょう。
ヘッジファンドは多くの損切りが溜まっていると予測できる位置まで、大量の注文を出し力づくで価格を下げます。
買いのストップロス注文はつまり売り注文のため、ストップロスを巻き込むことで、下落の勢いが増すのです。
最後にヘッジファンドが利確することで、勢いよく反発します。
「損切りされた後上がっていった…」なんて悔しい経験もあるかもしれませんが、ほぼストップ狩りだと思って良いでしょう。
ちなみにヘッジファンドが行うストップ狩りは違法行為にはあたりません。
悔しいですが、“ただただ相場を動かせるほどの巨額の資金があるだけ”ですからね。
FX業者がストップ狩りしているとの噂も
一部トレーダーの間ではFX業者がストップ狩りをしているという噂もあります。
たしかにFX業者であれば、どの価格帯にストップロス注文が溜まっているかは一目瞭然。
たしかにやろうと思えば出来てしまうのは間違いありません。
ただ、結論を言うとFX業者がストップ狩りをしているかどうか確かめる術はないんです。
というのも各FX業者での価格レートは同一ではなく、多少なりともズレが生じています。
そのためどのFX業者が意図的に価格を操作しているか判別は困難。
それにサーバーの弱いFX業者であれば、価格が一瞬飛ぶようなこともあり得ます。
まあ下のチャートのように、業者間でここまで下ヒゲの長さが違うと、ほぼほぼクロだとは思いますが。
いずれにしても真実は、神のみぞ知るというやつですね。
FX業者がストップ狩りを意図的に行っている場合、価格の不正操作にあたり違法性はあるようです。
ストップ狩りが行われる条件
実はストップ狩りは発生しやすい条件が存在しています。
知っておいて損はないので、頭の片隅にでも置いておくといいかもしれません。
▼キリ番は狙われやすい
人間の習性として、110円、120円、130円のようなキリのいい価格前後にストップロス注文が集中しやすくなっています。
それを逆手にとり、ヘッジファンドなどの大口トレーダーが、キリ番の価格に大きな取引量をぶつけてくる可能性もあり注意です。
▼何度も意識されている水平線
何度も意識されている水平線付近にも、ストップロス注文は溜まりがち。
何度も意識されているということはつまり、サポートライン・レジスタンスラインとしてトレーダーから信頼されている証拠。
「漁師トレーダー」のように水平線をトレード根拠にするトレーダーも多いため、必然的にストップロスは溜まっていきます。
例えば下のチャートは2度反発を確認できている水平線を狙ってストップ狩りが行われています。
水平線を一気に上抜けし、長い上ヒゲを作ってから下落しています。
水平線は反発回数が多いほど、または日足など上位足の水平線になるほど強く意識される傾向があるんです。
逆に言うとそれだけストップ狩りを狙われる可能性もあることを覚えておきましょう。
▼取引量が少ない時期・時間帯
一般的に日本時間の早朝や、アメリカの祝日などはストップ狩りが起きやすいと言われています。
日本時間早朝やアメリカの祝日は取引量が減るため、ヘッジファンドなどの大口投資家が市場に与える影響力は増します。
ざっくり言うと、取引量が少ない時間帯の方が価格を操作しやすいわけです。
年末年始なども取引量が減り、価格変動が起きやすい時期と言われているのでトレードする際には注意が必要。
また、同じ原理で流動性の低いマイナーな通貨ペアでも、ストップ狩りが起きやすいとされています。
ストップ狩りの予防と対策
個人トレーダーとしてストップ狩りに予防と対策をとることは可能です。
具体的な方法は次の4つ。
▼NDD方式の業者を選ぶ
FX業者によるストップ狩りを避けるならば、NDD方式の業者を選ぶのが最善です。
そもそもFX業者にはDD方式とNDD方式の業者が存在します。
2つの違いは注文時にFX業者が介入するかどうか。
DD方式は業者が注文に介入しますが、NDD方式は介入しません。
そのためNDD方式の方が注文に関する透明性が高く、業者によるストップ狩りを避けることができます。
国内FX業者は基本的にDD方式です。
海外だと「XM」「エクスネス」「AXIORY」などがNDD方式だと言われていますね。
海外FXはNDD方式の業者が多く、高いレバレッジでトレードでkりう点も魅力。
「海外FX業者のレバレッジ比較」をした記事もあるので、興味があればご覧になってみてください。
▼オープンオーダーを活用
FX業者のOANDAでは、トレーダーが現在どの価格帯からポジションを持っているか、またはどの価格帯に指値を置いているかを可視化できます。
この機能を利用すれば、ストップロス注文がどこに多く溜まっているかも一目瞭然。
つまりストップ狩りが狙われやすいポイントをあらかじめ把握できるわけです。
オープンオーダーのストップロス注文はそれぞれ次の通り。
・右上:現在価格より上にある買い指値(売りポジションを持っている人の損切り指値)
・左下:現在価格より下にある売り指値(買いポジションを持っている人の損切り指値)
横の棒グラフが長いほど、多くの注文が溜まっていることを指します。
例えば、下のようなオープンオーダーの場合、赤丸の位置にストップロスが溜まっていることがわかります。
赤丸を狙ってストップ狩りが行われる可能性もあると推測できます。
▼ストップロス注文を広めに取る
ストップ狩りはストップロス注文が多く溜まっている位置を狩りにいく手法。
つまり、ストップロス注文が多く溜まっている位置を避ければ、狩られるリスクを抑えられます。
オープンオーダーでストップロス注文が溜まっている位置を確認し、多く溜まっている価格帯を避けて広めに取る対策も有効です。
▼手動で損切りする
そもそもストップロス注文を入れておかなければ、ストップ狩りに遭うこともありません。
シンプルですが、手動で損切りすれば根本に解決です。
ストップロスを入れておくのと比較すると、圧倒的にめんどくさいのは間違いありませんが。
それに手動だと中々損切りできなくなっちゃったりするもんですよね。
損切りタイミングを逃し、ダラダラと含み損が膨れ上がるのはFXあるあるです。
まずは多くの「FX有名トレーダー」が言うように、自分の中でトレードルールを明確にする所から始めてみましょう。
FXにおいてストップ狩り対策は必須
FXトレードをするならば、ストップ狩りは避けて通れないもの。
そして、ストップ狩りの仕組みを理解しているかどうかで、稼ぎやすさは雲泥の差です。
ストップ狩りに慣れてくれば、ヘッジファンドの思惑を逆に利用して利益を得ることも可能。
また最近は「XANK」のようにAIを搭載した自動売買システムにも注目が集まっています。
ヘッジファンドのような大口投資家がこぞってAIの活用を始めていることもあり、対抗策としてXANKを利用する個人トレーダーが増えているようです。
個人的に試してみましたが、3か月で602万円の利益を実現してくれ、実力は認める他ないなと思っているところです。
ストップ狩りって全然他人事じゃないですよね。
勉強になります。