トロン(TRON)がどんな仮想通貨で、どんな特徴を持っているのかご存じでしょうか。
今のところ日本の取引所での取り扱いはなく、あまりニュースになることも少ないので良く分かっていない人が多いと思います。
そもそもトロン(TRON)は時価総額は900億円で、20番目に投資されている仮想通貨です。
多くの投資家が将来に期待できると思える特徴を持っているということでしょう。
実際にどんな特徴があるのか記事にまとめてみました。
この記事を読み切っ頃には、投資すべきかどうか判断できるようになっています。
特徴①トロン(TRON)はクリエイター支援が目的
トロン(TRON)は、クリエイターを支援することを目的としたプラットフォームを開発しています。
具体的には、動画やゲーム、絵などの作品を自由に投稿できるアプリのことです。
日本人でも分かる身近なサービスを例に挙げるとしたら、YouTubeが最も近いサービスでしょう。
ただし、クリエイターはYouTubeを使うと広告収入を得ることができますが、トロン(TRON)のプラットフォームでは
特徴②プラットフォームは分散型ストレージを利用
分散型ストレージとは、世界中にあるサーバーをネットワークで繋ぐことで、大規模なサーバーを作ることです。
この分散型ストレージを作ることで、アクシデントがあったとしてもサービスを停止させる必要がありません。
例えば、1か所のサーバーが不具合で動かなくなったとしても、他のサーバーで対応することができます。
また災害時やトラブルの時も迅速な復旧が可能になるメリットもあります。
さらに、無駄な初期費用もかからずコストを抑えユーザーの負担を減らすことができます。
トロン(TRON)を使用することで何かに管理されたり、制約を受けることなく、ユーザーが自由にデータを所有したり公開したり保存することができるようになります。
またデータの基本的な所有権は作成者が持つ形になるので、より自立した形で、魅力的なコンテンツの配信を自由に行うこともできます。
データ配信者に多くの利益がもたらされ、データを利用する人は、これまで以上の質の高いサービスを受けることが可能になります。
特徴③トロン(TRON)は競合となるサービスは多い
トロン(TRON)のクリエイターを支援するプラットフォームには大企業から中小ベンチャーまで数多くの競合がいます。
誰でも思い付くような競合となる大手企業は沢山あります。
・YouTube(親会社はGoogle)
・TikTok
・Instagram(親会社はFacebook)
・Amazon
・LINE
トロン(TRON)は上記のような大手企業のサービスに打ち勝つ必要があります。
このようにライバルが多い領域で勝負しているという特徴もあるのです。
特徴④トロン財団の創業者が超優秀
日本ではあまり知られていませんが、トロン財団の創業者「ジャスティン・サン(Justin Sun)」は超優秀なエリートです。
まずは、ジャスティン・サンの経歴を確認してみましょう。
・2011年:北京大学を卒業
・2013年:ペンシルバニア大学を卒業(政治経済学修士号を取得)
・2013年:中国のリップルラボにて最高責任者
・2013年:Peiwoを創業
・2017年:トロン財団を創業
北京大学は中国で2番目の大学で、ペンシルバニア大学は世界で12番目に優秀な大学として評価されています。
大学を卒業後は、リップルの中国支部で最高責任者として働いたのです。
しかも同時期に「Peiwo」という会社を設立。その後、中国最大級の音声配信サービス会社となっています。
さらに、2015年~2017年の3年間に経済誌Forbesが選ぶ30歳以下の起業家に選出されています。
この創業者の実力が評価され、トロン(TRON)は時価総額ランキングでも上位に位置できています。
裏を返すと、ジャスティン・サンの実力に依存してしまっていると言えます。
ビットコインやイーサリアムは世界中の有志によって開発が進んでいますが、トロン(TRON)はたった1人の力に支えられているということです。
特徴⑤トロン財団はNPOとしてシンガポールで活動
トロン(TRON)の発行・開発を行っているトロン財団は、シンガポールのNPO(非営利組織)です。
きちんとシンガポールの会社法や会計基準を監督する官庁であるACRA(Accounting and Corporate Regulatory Authority)に認められています。
国の公的機関によって認められているようなので、安心できますね。
特徴⑥トロン(TRON)のICOは30秒で完売
2017年8月にトロン(TRON)はバイナンスでICOを2度にわたって行われました。
1度目は30秒で完売となり、2度目は10秒で終了。めちゃくちゃ速攻でICOが終わっています。
それだけトロン(TRON)に期待する投資家が多かったので、ICOに殺到したのでしょう。
特徴⑦トロン(TRON)は国内取引所で取り扱いなし
2020年4月時点、トロン(TRON)が国内取引所に上場しそうな気配はありません。
2018年にジャスティン・サンがTwitterで日本の取引所への上場をほのめかす発言をしていました。
しかし、それ以降はまったく日本の取引所への上場に関する発言はない状況です。
特徴⑧トロン(TRON)の価格は2018年から下落傾向
2017年末の仮想通貨バブルが弾けて以降、トロン(TRON)の価格はずっと下落しています。
2020年に入っても下落トレンドが止まることなく、まだまだ値下がりする可能性があるという特徴があります。
この下落トレンドであると断言できている理由は、テクニカル分析にあります。
テクニカル分析とは、投資家の心理に基づいてどう値動きするのかを予想する投資手法です。
もともとテクニカル分析は株式投資やFXなどで使われていましたが、仮想通貨でも使うことができます。
たまに仮想通貨でテクニカル分析は通用しないという意見もありますが、投資家は同じ人間であり、その人間の心理を分析した投資手法なので十分に使えると言えるでしょう。
特徴⑨トロン(TRON)はバーンで一時的に急騰
2018年6月25日に、トロン(TRON)は10億TRX(50億円分)をバーンしました。
本来バーンは仮想通貨を完全に封印して永久に使えなくしますが、 トロン(TRON)の場合は2020年1月1日まで封印しています。
特徴⑩マイニング機器大手の共同創業者が出資
マイニング機器の開発・販売を行っている大手企業ビットメイン(BITMAIN)の共同創業者ジハン・ウー(Jihan Woo)がトロン財団に出資しています。
ジハン・ウーは『ビットコインキャッシュこそがビットコイン』といったTwitterでの発言により、ビットコインキャッシュの支持者としても知られています。
また、「Antpool」「BTC.com」の運営者でもあります。
特徴⑪トロン財団は米企業を買収
2019年、トロン(TRON)はブロックチェーン企業「ビットトレント」を買収しました。
このビットトレントはファイル共有サービスを展開しており、1億人を超える会員を抱えています。
さらに、買収後にライブ動画配信サービスも開始しています。
また、ジャスティン・サンは取引所ポロニエックスにも出資しているようです。
I'm not buying anything. Just invest some and help out my friends. Actually I have a huge bag of $BNB, $HT, $OKB etc and bet on all exchanges that support $TRX & $BTT. 😄
— H.E. Justin Sun 孙宇晨 (@justinsuntron) October 19, 2019
ジャスティン・サンは自身のツイッターで、「私は何も買っていない。ただ私の友人たちに投資し、助けただけだよ」とコメントしています。
ただし、特定の取引所に肩入れすることはないとも語っています。実際に、取引所が発行している独自トークンを保有するとも発言しています。
特徴⑫トロン財団は提携企業が多い
トロン財団は様々な企業と提携しています。
2020年4月時点で把握できている提携先をまとめてみました。
・中国のEC大手「アリババ」
・分散型SNS「Steemit」
・韓国大手電子メーカー「サムスン」
・分散型ゲームプラットフォーム「BitGuild」
・時価総額2位の「イーサリアム」
・米ブロックチェーン企業「Metal Pay」
誰しもが知っている大企業からベンチャー企業などと提携済み。
これから提携によるシナジーが発揮され、トロン(TRON)のプラットフォームが広がってくれると、値上がりしてくれるかもしれませんね。
特徴⑬ロードマップ通りに計画が進んでいる
多くの仮想通貨では運営組織がロードマップなどを公開していますが、基本的にロードマップ通りにプロジェクトが進むことはありません。
そもそも計画が遅れたとしてもペナルティがある訳ではないので仕方ないと言えるでしょう。
しかし、ロードマップ通りに進んでいるかどうかで運営組織を評価することができます。
その点、トロン財団は今のところはロードマップ通りにプロジェクトを進めています。
詳しいロードマップなどを知りたい方は、「トロン(TRON)の今後はどうなる?」という記事をご覧ください。
特徴⑭中国リスクがある
トロン財団はシンガポールに本拠地を置いている組織ですが、中国の北京にも事務所があります。
中国でブロックチェーンの開発は推奨されていますが、仮想通貨の送金などは禁止されています。
これからトロン(TRON)のプラットフォームが広まって、送金手段としても活用されてしまったら規制される可能性があるのです。
▼トロン(TRON)の特徴まとめ
これで2020年時点のトロン(TRON)の特徴を全てまとめることができたと思います。
具体的にトロン(TRON)がどんな仮想通貨で、どんなプロジェクトの特徴を持っているのか分かったと思います。
ビットコインやイーサリアムみたいな分散型の組織ではなく、ジャスティン・サンに依存しているということが最大の特徴と言えるでしょう。
トロン(TRON)の基本情報
名称 | トロン(TRON) |
---|---|
人気度 | |
時価総額 | 20位 |
取引所 | フオビ バイナンス |
発行日 | 2017年08月10日 |
発行元 | トロン財団 |
アリババとは提携してませんし、イーサリアムも関係ありません。